Canyon road beneath snowy peaks · 写真:돈키호테 · used with permission 出典
これほど広い国では、あらゆる種類のライドが楽しめます。西には平均標高4,000mを超えるチベット高原とパミール高原があり、南西の雲南省では雪山のふもとに古い村が点在し、北では太行山脈の赤い断崖が連なっています。
高原の道は標高が高く距離も長いため、普通の自転車では1日にそれほど進めません。e-MTBが登りを助けてくれるので、高地でも景色を楽しむ余裕が残ります。
このガイドでは、代表的なラサ・スカイループを中心に、チベット、雲南、太行山脈、パミールの5つの地域と、それぞれの道や見どころを紹介します。

西蔵(チベット)自治区ラサ · 標高約3,650m
ラサ・スカイループ
- 距離
- 1日30〜50km
- 日程
- 2〜3日間(ラサ周辺)
- 路面
- 舗装路と寺院への登り
- 難易度
- 中級(高度順応が必要)
チベットの中心都市ラサは、標高約3,650mの広い川の谷にあります。街の南をラサ川が流れ、周りの茶色い山々の上には濃い青空が広がっています。空気が澄んで日差しが強く、晴れた日には空がとても近く感じられます。ルートの名前はここから来ています。
ループは中心部のポタラ宮とジョカン寺(大昭寺)の近くから出発し、ラサ川の岸に沿って進み、街の西と北の山腹にあるデプン寺とセラ寺を訪ねます。市内はほぼ平坦ですが、各寺院への最後の区間は斜面を登るので、そこでe-MTBが力を発揮します。
ラサに着いてからの1〜2日は自転車に乗らず、体を標高に慣らしながら歩いて街を見て回りましょう。息切れが落ち着いてきたら短いライドから始め、毎日少しずつ距離を延ばしてください。
見どころ
ポタラ宮
白と赤の建物が丘の上へ段々に重なる宮殿で、かつてダライ・ラマが住んでいました。ジョカン寺、ノルブリンカとともにユネスコ世界遺産に登録されています。向かいの広場からは宮殿全体を一度に眺められます。
ジョカン寺とバルコル
ジョカン寺は7世紀にさかのぼるとされ、チベットの人々にとってもっとも大切な場所のひとつです。寺を囲む通りバルコルでは、巡礼者が祈りながら時計回りに歩いています。ここでは自転車を停めて、歩いて巡礼者の流れに加わってみてください。
デプン寺
15世紀初めに創建されたデプン寺には、かつて数千人の僧が暮らしていました。白い建物が村のように山腹に集まり、ラサの街と川の谷を見下ろせます。
セラ寺の問答
セラ寺は僧たちの問答で知られています。僧が中庭に集まり、大きく手を打ち鳴らしながら仏教の教えについて互いに問いかけます。訪れる日に問答が見られるか、現地ガイドに尋ねてみてください。
ラサ南西 · 峠約4,800m、湖約4,400m
カンバ・ラ峠とヤムドク湖
- 距離
- ラサから峠まで約100km
- 日程
- 1〜2日間
- 路面
- 舗装の峠道と湖畔の道
- 難易度
- 上級
ヤムドク湖は、チベットの人々が聖なる湖とあがめる大きな湖のひとつです。標高約4,400mにあり、天気や光によって水の色がターコイズから深い青へと変わります。湖はいくつもの入り江となって山あいに入り込んでいるため、上から見ると複雑な形をしています。
ラサから川に沿って南西へ進み、ヤルツァンポ川を渡ったあと、曲がりくねった道をカンバ・ラ峠(約4,800m)まで登ります。頂上で眼下に湖が開ける瞬間が、このルートのハイライトです。登りの標高差は1,000mを超えるため、多くの行程では一部をサポートカーで移動し、下りと湖岸を自転車で走ります。
湖岸沿いの道は登りが比較的少なく、大麦畑や小さな村、ヤクの群れのそばを通ります。この標高では歩くだけでも息が切れるので、ラサで数日間高度に慣れてから計画してください。
見どころ
カンバ・ラ峠のタルチョ
峠の頂上では、祈りの言葉が刷られた五色の旗がはためいています。晴れた日には湖の向こうに雪をかぶった稜線が見えます。
ヤルツァンポ川
チベット南部を西から東へ流れる大河で、下流のインドではブラマプトラ川になります。広い谷沿いの平坦な区間は足慣らしにちょうどよい道です。
湖畔の村
屋根に旗を掲げた土壁の家々が並ぶ小さな村です。立ち寄ってバター茶とツァンパ(炒った大麦の粉)を味わってみてください。
雲南省大理・沙渓・麗江 · 標高約2,000〜2,400m
茶馬古道、大理から麗江へ

- 距離
- 1日40〜70km
- 日程
- 3〜5日間
- 路面
- 舗装路と古い石畳の道
- 難易度
- 中級
茶馬古道は、雲南や四川のお茶をチベットの馬と交換した古い交易路です。馬やラバのキャラバンが荷を積んで高い山々を越え、雲南省北西部には道沿いに栄えた古い村や市場が今も残っています。
出発地には、洱海と蒼山のあいだにある大理が向いています。湖沿いの道を走って白族の村々を抜け、北の丘を越えて沙渓へ向かいます。沙渓は茶馬古道の市場町で、古い市場の広場や舞台、石橋がよく保存されています。
ゴールは標高約2,400mの麗江です。旧市街はユネスコ世界遺産に登録されており、路地のあいだを小川が流れ、ナシ族の瓦屋根の家々が並んでいます。晴れた日には北に玉龍雪山の雪をかぶった頂が見えます。
見どころ
洱海の湖岸
大理の大きな湖で、一周すると100kmを超えます。湖畔の喜洲村には、白い壁に絵が描かれた白族の伝統家屋が多く残っています。
沙渓の寺登街の広場
古い舞台や寺院、昔ながらの店構えに囲まれた石畳の広場です。かつて商人と馬が休んだ市場町の雰囲気が残っています。
麗江古城
路地は狭く混み合っているので、自転車は宿に置いて歩いて回りましょう。夕方になると軒下に提灯がともります。
白沙村
麗江の北にある静かな古い村です。町から近く短いライドで行けて、ここからは玉龍雪山が間近に見えます。
河南省北部 · 新郷・林州周辺の太行山脈
太行山脈の断崖の道

- 距離
- 1日45〜70km
- 日程
- 1〜3日間
- 路面
- 舗装の山道
- 難易度
- 初級〜上級(区間による)
太行山脈は中国北部の河南省、山西省、河北省の境に沿って南北に延びています。赤みを帯びた岩が高さ数百mの断崖をつくり、そのあいだを深い峡谷が刻んでいます。
この地域は断崖を削って造られた道で知られています。片側は岩壁、もう片側は開けた谷なので、景色が途切れることがありません。道の多くは舗装されていて走りやすいですが、短く急な登りと速い下りが次々に現れます。
拠点には河南省北部の新郷と林州が向いています。断崖の村や峡谷の景勝地が近くに集まっているので、脚力に合わせて短い日帰りライドから尾根を越える長いライドまで選べます。
見どころ
郭亮村と断崖のトンネル
断崖の上にある小さな村で、1970年代に村人たちが手作業で岩を掘り、トンネル道路を通しました。トンネルの壁に開いた窓から谷底を見下ろせます。
紅旗渠
1960年代に林州の人々が断崖に沿って切り開いた灌漑用水路です。山腹の水路沿いを歩くと、その工事の規模の大きさがわかります。

写真:돈키호테 · used with permission 出典 太行大峡谷
林州にある赤い断崖と滝の大きな峡谷です。峡谷の上を通る道からの眺めは見事です。
このエリアのコース
新疆カシュガル・タシュクルガン · カラクリ湖約3,600m
パミール高原とカラコルム・ハイウェイ

- 距離
- 1日40〜80km
- 日程
- 2〜4日間
- 路面
- 舗装路と高原の砂利道
- 難易度
- 中級〜上級
カラコルム・ハイウェイは、中国の西の果て、新疆のカシュガルの南から始まります。パキスタンへ向かう途中でパミール高原を越え、両側には7,000mを超える雪山が並んでいます。
カシュガルを出て峡谷を登っていくと、ムスターグ・アタ(約7,546m)とコングール(約7,649m)が見下ろすカラクリ湖に着きます。湖岸の草原にはキルギスの遊牧民がユルトを建て、風のない朝には峰々が水面に映ります。
さらに南には、タジク人が暮らすタシュクルガン(約3,100m)があります。広い草原の谷沿いの区間は勾配がゆるやかで、気持ちよく走れます。この地域は国境に近く、許可証や検問所があるので、現地の旅行会社とルートを計画してください。
見どころ
このエリアのコース

出発前に知っておきたいこと
ベストシーズン
チベットとパミールは5月から10月です。7月と8月は雨が増えますが、ラサでは夜に降ることが多いです。雲南と太行山脈は春(4〜5月)と秋(9〜10月)がもっとも適しています。どこも混雑する10月初めの国慶節の連休は避けましょう。
標高と天気
ラサは標高約3,650mで、ヤムドク湖とパミールはさらに高い場所にあります。宿泊地の標高はゆっくり上げ、こまめに水を飲み、頭痛やめまいがひどくなったらすぐに標高を下げてください。高原では日中は暖かくても、日が沈むと非常に冷え込むことがあります。
道路と自転車
幹線道路はほとんどがよく舗装されていますが、トラックが多く、長いトンネルもあります。ライトと目立つ色の服を用意してください。車は右側通行です。e-MTBのバッテリーの多くは飛行機に載せられないため、自転車とバッテリーは現地でレンタルするのが一般的です。
食事
チベットではツァンパ、バター茶、ヤクの肉、モモ(餃子)を、雲南では過橋米線とプーアル茶を、新疆では羊肉の串焼き、ポロ(ピラフ)、窯焼きのナンを味わってみてください。高原では店と店の間隔が長いので、行動食は多めに持っていきましょう。
お金と通信
通貨は人民元(CNY)です。ほとんどの店や飲食店でモバイル決済が使われているので、出発前に決済アプリを設定し、現金も少し持っておきましょう。海外のアプリやウェブサイトの一部は使えないため、地図や連絡手段は事前に準備しておいてください。高原や峡谷では電波が途切れる場所があります。
入国と安全
入国の条件は国籍によって異なり、変更されることもあるので、出発前に大使館で確認してください。外国人がチベットを訪れるには別途許可証とガイドが必要で、新疆の国境地帯でも許可証が必要な場合があります。ホテルではパスポートで宿泊登録をするので、常に携帯してください。ヘルメットは必ず着用してください。
中国は一度の旅ですべてを見るには広すぎる国です。高原の空ならチベットとパミール、古い村と茶の文化なら雲南、短い日程で断崖の道を走るなら太行山脈を選んでください。どこへ行くにしても、景色をゆっくり味わえるよう予定に予備日を1日入れておきましょう。
この道を走る自転車が必要なら
日程を選ぶと、レンタルできるe-MTBをすぐに表示します。


